◆１回質問の教育長答弁（全文）
(1)児童・生徒が、家庭での学習習慣を身につけるための資料として作成した「家庭学習のすすめ」については、毎年、年度当初に各家庭に配布しています。配布にあたっては、保護者会の時に、生活習慣を整えることや、学習への取り組みなどについて説明し、協力を求めています。しかしながら、保護者会に参加しない家庭もあり、年度当初だけでなく、継続して家庭学習の重要性を啓発していくことが、大切と考えています。今年度は、学力向上5ヵ年計画に位置づけた「家庭学習研修会」を、吹上中学校区で実施しました。ＰＴＡの皆さんのご協力をいただき、教員、保護者が一堂に会して、家庭学習の推進について協議し、家庭学習について共通理解を図り、小・中学校と家庭で連携して進めております。この取り組みにつきましたは、平成29年度以降、他の学校区にも広げていきたいと考えております。
(2)次に、保護者の授業参観の参加率を高める策についてであります。今年度の参加率について、抽出した調査結果では、一人の子供に対して祖父母を含め複数で来校されることもあるため、平日では７１．４％、土・日では１３１．６％でした。このような状況から土・日、祝日に開催を、増やしている学校も多くなっており、評価しているところです。課題としては、一人の子供に複数で来る家庭がある反面、一人も来られない家庭もあります。学校として、保護者や地域の方方に授業を見ていただくことは、学校教育ついての、理解を深めていただくとともに、ご意見を頂く貴重な機会でもあります。また、児童・生徒にとっても、自分の頑張っている姿を、保護者に見てもらえる重要な機会と捉えています。学校には、土･日、平日を含めた、複数日開催等の日程検討とともに、授業内容についても工夫し、より多くの保護者が、授業参観に来校していただけるよう指導してまいります。
(3)次にチャレンジ目標についてであります。何事にも、目標を掲げ取り組むことは、大切であります。そうした習慣を小・中学校時代に身につけさせることで、社会の変化に対応できる力が生まれると考えます。各学校では学期初めに児童・生徒が、各自の目標を定めています。内容は、「学習面に関すること」、「生活面に関すること」であります。児童・生徒が発達段階に応じて適切に目標を立てられるよう、各学級担任から指導しておりますが、目標を立てることで、満足してしまっている状況も見られます。この目標につきましては、継続的に意識させるとともに、振り返りを、きちんと行うよう指導してまいります。
(4)次に、少人数で成果を上げている学校の取り組みについてであります。昨年度から、第7小学校において、算数の指導方法について、研修を進めています。10月には、その成果を市内全小学校の全教員が参加する中で発表しております。第7小学校は全児童、110名、各学年20名程度の小規模校で、その特性を生かし、子供達が自ら考え、みんなで学べるよう、授業改善に取り組んで来ました。この研究では、子供達が主体的に学習できるよう、教材を開発するとともに、算数的な活動を通して、子供達の思考力を高められるようにしております。また、子供達が、互いに学び合えるような学習形態を工夫しております。このような成果を上げている学校の取り組みを、今後も各学校に広め、研究成果を共有できるようにしてまいります。
(5)次に、サタデースクールの課題への対応についてであります。今年度のサタデースクール登録者数は、現415 名であり、対象者全体の5.8％であります。募集については、これまでも各学校や広報を通じて行っていますが、引き続き、より多くの子どもたちが参加するよう周知してまいります。次に、登録する児童・生徒の学力差への対応についてであります。学習内容につきましては、昨年度までは、基礎的な内容の定着を目的としておりましたので、現学年より下の学年の内容を指導しておりましたが、サタデースクールに通って来る児童・生徒の中には、学力の高い者もおり、下の学年の内容だけでは満足しない者もおります。今年度からは、登録者数の増加策として、一部会場で、児童・生徒の実態に応じた指導も行うようにしています。次に、学校行事と参加率との関係についてであります。学校行事は、地域行事や学区内の幼稚園・保育所、小中学校の行事等との兼ね合いで決めており、日程をずらすのは困難であります。一方、サタデースクールの日程変更につきましても、支援員や会場の確保、事務局の対応などの点から困難となっております。学校行事と重なる場合につきましたは、中止の決定を早めに周知し、対応してまいります。次に、支援員の確保についてであります。支援員につきましては、今年度は６５名確保し、指導体制を整えているところです。今後、サタデースクールの充実に向けて、定年後のボランティアの活用等、支援員の確保を含め取り組んでまいります。今年度は11月に開催したコーディネーターと支援員の連絡会において、会場ごとの情報交換をしました。効果的な取り組みについて、情報を共有し、サタデースクールをより有効なものにしていきたいと考えております。
(6)次に、学力ステップアップ推進地域指定事業の成果と今後の取り組みについてであります。成果としましては、算数、数学の学力の向上が挙げられます。全国学力・学習状況調査結果から、東京都と青梅市の正答率の差を、昨年度と今年度で比較しますと、小学校の算数Ｂで１．３ポイント差が縮まっております。また、中学校では、数学Ａで０．６ポイント、数学Ｂで０．１ポイント縮まっております。放課後に個別指導を受けられることで、学習意欲が向上した例も聞いております。放課後に支援員が学校に入って、補習を行うという体制を築けたことは、成果と捉えております。この学力ステップアップ推進地域指定事業は、東京都の指定事業としては、平成29年度で終了となりますが、指導員が入る効果を考え、今後の実施について、考えてまいります。
(7)次に、力だめしドリルの実行効果についてであります。力だめしドリルは、「学習した内容を活用して解く問題」への経験を積ませることにより、こうした問題に対応する力を養うため、作成したところであります。学校では、このドリルを１校時が始まる前朝の時間に活用しています。通常の授業では、余り取り組まないような問題に取り組むことにより、多面的・多角的に考える力を育成していると考えておりますが、今年度の国や都の学力調査の結果からは、その成果を判断することは、できませんでしたが、継続することで、その成果が表れてくると考えております。最後に、学力諸施策の総括、評価についてであります。国や都の学力調査の結果で見る限りでは、効果が上がっているとは言い難い状況であります。しかしながら、諸施策を実行することで、学校において新たなアプローチで実践してきたことは、今後の取り組みに広がりが出たと考え、一定の効果があったと評価しています。さらに、学力向上策を推進していくためには、家庭との連携を今まで以上に密にし学校教育と家庭教育の両輪で進めていくことが大切であると考えております。
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