***2月(3月)の議会一般質問内容***
1、まず1番目として、市内幼稚園・保育園の課題について質問いたします。
少子高齢化社会に入り、既に青梅市では人口減少が始まっております。この減少をどう食い止めるか、減少速度をどう落としていくか、これは当市の現在・そして将来にとっての極めて大きな課題であります。
青梅市まち・ひと・しごと創生総合戦略で定める三つの基本目標の第一に子どもを生み・育て、将来にわたり暮らし続けたいまちを実現とあります。
魅力ある青梅を作り、どうしたら青梅に人を呼び込めるか、とりわけ子育て世代を中心にした生産年齢層の人口流失に歯止めをかけていく事が極めて重要と考えられます。
このような観点から議会でも様々な議論がなされて来たと承知しておりますが、私は子育て世代の居住地選択に最も重要な要素と思われる、市内幼稚園・保育園に焦点を当てて質問をいたします。
市内には6つの幼稚園、31の保育園、そして認定こども園が1園ありますが、まず幼稚園について伺います。
(1)-1 市内6園の幼稚園は全て私立(わたくしりつ)で内5園が学校法人、1園が個人立で、幼稚園は文科省下の教育施設であります。文科省告示の幼稚園教育要領で定められた、幼稚園教育の基本を要約すれば、「幼児の自発的活動としての遊びは、心身の調和の取れた発達の基礎を培う重要な学習であることを考慮して、遊びを通しての指導を中心として、健康・人間関係・環境・言葉・表現に関する狙いが達成されること。幼児一人一人の特性に応じ、発達課題に即した指導を行う」とされ、さらに「幼稚園は家庭との連携を図りながら、義務教育及びその後の教育の基礎を培う」とされています。
この告示に基づき市内の各園はその全てが40年以上の歴史を持ち、それぞれの沿革を踏まえて、特色のある教育を行っております。早期教育に重点を置き、英語の早期教育に力を入れる園、モンテッソーリ教育を取り入れる園、自然の中で伸び伸び育てる事をメインに据える等、各園なりの特色を持って運営をしておりますが、全体の園児在園率は施設の定員の40%にも満たない状況にあります。
これは何に起因するのか?一つには幼稚園は教育という立場から4時間の保育が原則で、保育園の充実もあり、本来幼稚園に通園すべき一部が保育園に流れているとの指摘もあります。働く親のため各園もそれぞれ延長保育に取り組むも、延長保育の開始時間の差、その結果としての費用負担、また夏休みの問題もあり、各園とも延長保育は数名に留まっています。
数名の園児のために人員を確保することは園の経営上かなりの負担にもなります。
この点での園児確保については、さらに十分な検討を行っていただきたいと思いますが、私が一番問題だと思うのは近隣自治体の幼稚園に、市内の園児が流れているという現実です。本来市内の幼稚園に通園するべき園児が周辺の自治体の幼稚園に通園するということは、青梅に魅力がないという事に繋がり、ゆくゆくは青梅からのさらなる人口流失に繋がりはしないかと懸念する訳であります。
(1)-2 幼稚園から頂いた資料によりますと、平成27年5月1日現在、市内居住者の幼稚園児・3・4・5歳児は977人いますが、そのうちなんと397人(40.6%)が市外の幼稚園に通園しています。そして、一部の幼稚園に園児が集中しているという現実があります。(保育園に通う3・4・5歳児は概ね2000人であります。)
一方、青梅市としては様々な形で幼稚園児及び幼稚園に補助・助成を行っています。園児に対しては、都の補助と併せて行う市立幼稚園保護者補助金、国の補助と併せて行う就園奨励費補助金、入園料補助金等26市でも上位に位置づけられる補助を行う他、園に対しても心を育む保育実施補助金等他市に負けない補助を行っています。 しかるにこの市外幼稚園への流失状況であります。この現実は「子供・子育て会議」等でも問題視され、竹内前市長も極めて憂慮すべき実態との認識であったと聞き及んでおります。
(1)-3 何とか、各幼稚園と連携しこの状況を改善し、青梅の幼稚園の魅力を高め、住み続けたいまちに結び付けたいと考えます。そこで、質問ですが、
ア、まず、市長はこの現実をどう受け止めますか、そしてこの要因はどこにあると思われますか?伺います?
イ、幼稚園は全て私立であります。就園率の向上、園児の確保は一に園の自助努力に期待するわけでありますが、園児市外流失阻止との観点から行政の何らかの関与が必要なのではないか、様々な情報提供を行いつつ自助努力を強く促す必要があるのではないかと考えますが、市長の見解を伺います。
ウ、市内の幼稚園は全て40年以上の歴史があり、それぞれが独自の教育方針を持って園を経営しています。これは私立として当然ですが、歴史が長いだけ、大変失礼ながら、伝統ある、園の教育方針と保護者のニーズとの乖離が生じているのではないか?市内幼稚園の持つ良さが保護者に十分理解されていないのではないかと懸念します。 ある、園長先生がお話下さいましたが、近隣で多くの園児を受け入れている幼稚園では
「コンサル会社を入れ、親受け・マスコミ受けすることはなんでもでもやる、ホームページを充実させ、親が感動する場面での保護者の声をのせ、口コミで広げる、未就園児教室を充実させ3歳児を囲い込む、等、園児確保のためなら何でもありですよ」とお話下さいました。私は経営者としてはたいしたものだと思いましたが、園長先生は、そこまでやる気はないとおっしゃいました。また、その園長先生は、今流行のヨコミネ式教育法やフラッシュカード英語教育には極めて懐疑的で、幼稚園は子供のための保育・教育の場であり、親より子供に喜ばれる園にしたいとも言われました。また、別の園長先生はこの種の幼児教育は子供の将来に必ずしもプラスにはならないと否定的な見解を表明されています。どうも、園が目指す教育のあるべき姿・理想と保護者の求める現実との間にギャップがあり、これをどう埋めていくかが最大の課題のように思えます。市としてもこの辺の状況は認識していて、 「青梅市子ども・子育て支援事業計画」(p53)で市外の園を選んだ実態を把握し、その対応を講じていく、としています。具体的にはアンケート調査等の実施し実態の把握を検討しているかと思いますが、どのように対応していくのかお聞かせください?
エ、市内各園はそれぞれの教育に特色と自負を持ち、売りももっていますが、但しPR不足は否めない。青梅市としてはこのPR活動を支援いていくべきではないか思います。例年10月の広報おうめに園児募集の欄を設けていますが、この欄のスペースを広げ、従来の住所・電話番号だけでなく、園と十分協議した上で、園の特色等を載せるようにしたらどうか?公平性から保育園についても同様の対応が出来ないか検討していただきたいが、お聞かせ下さい?
オ、従来からも各幼稚園との情報交換は行って来たと思いますが、少子化・人口減少が進む中、双方の意思疎通が益々重要になってくると思いますが、今後どう連携を取っていくかお聞かせ下さい。
(2)次に保育園の課題について質問します。
保育園については、ばらつきはあるのでしょうが、概ね充実しているという声を聞きます。 子供の将来を考え質の高い保育を各園が目指していただきたいと思いますが、縦割り保育の導入・モンテッソーリ教育の導入等幼稚園と同等の教育機能を備えた園もあり、全体として見れば、各園の自助努力を保護者が比較検討し、園を選択できる状況にあると思います。 私は保育園の課題は地域間格差であると思います。正に今後青梅の最大課題になる人口減少に伴う地域間格差、即ち東高西低。いち早く人口減少が始まった西北部と遅れて生じる東部との差。即ち東部の保育園では定員オーバーによる待機児童が発生しているのと逆に、西部・北部の保育園では定員割れが生じでいる園もあるという問題であります。待機児童は保育士さん確保の問題等もあって、どうしても年度後半から生じて来るそうです。保育士さんの確保をどう図っていくかは青梅市としても大きな課題と考えています。 (この問題については、別途議論したいと考えますが、)
待機児童への対策として、議会でも様々な議論がなされ、その努力の結果もあり、総合病院の院内保育所が4月から本格稼動する。また、新町にも民間の小規模保育所が開園予定である等で定員増が図られ、当面最大課題の0・1・2歳待機児についてはかなり緩和される事が期待されます。ただ一方3・4・5歳児を含め完全に定員オーバーをクリアできている状況ではありません。何とか東から西への人の流れを作り青梅全体で保育園児を受け入れられる体制がつくれないか?これが大きなテーマになると考えます。ある西部地区の園長先生との話しの中で、その先生はこうお話されました。「若干の定員割れは返っていい状況と思う。うちの園ではいつでも来た方を受け入れますよと言えますから。ただ、こんな悠長な事を言っていられるもあと2~3年かもしれないですが・・」と私は何かここにヒントがあるような気がします。即ち青梅に来ればいつでも保育園に入れる、そして保育園を選べる、青梅に住もう。預かってもらうだけでありがたいと思っている人を何とか青梅に呼び込めないか? そこで質問です。
ア、生み・育て、将来にわたり暮らし続けたいまち青梅を実現するためには、保育園の充実が欠かせないと考えますが、一部の保育園で待機児が生じ、また西部北部では定員割れの保育園が生じている状況について、市長はどう捉えているかまず見解をお聞きします?
イ、東から西への人の流れを作り出す、あるいは居住地のみならず周辺の保育園、保護者の希望に合う保育園を紹介することで、青梅全体として新たな園児を外から呼び込む、この体制を作り出すことが肝要と考えますが、市長の見解を伺います。
ウ、その上で、具体的には従来も窓口で保育園の紹介等は行っていると思いますが、青梅に居住を考える方からそのニーズを十分に聴取した上で、より懇切に保育・教育の情報を提供し、今、空いている保育園を選んでいただく最大限の努力をする。そして、単に窓口での対応強化のみならず、青梅市全体で園児を受け入れるとの観点からの、保育園の連携体制の構築が何より重要と考えますが、市長の見解を伺います。そして、青梅の保育園は充実している、青梅では保育園の心配はないという情報を発信していきたいと考えますが、重ねて市長の見解を伺います。
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