3項目目
「中学校英語スピーキングテストについて」
(1回目)
2020年から、新学習指導要領に基づいて、小学校において英語教育が実施され、2021年からは、中学校でも新指導要領に基づく英語教育が実施されています。この教育改革の目的の一つは、今後ますますグローバル化が進む中、国際社会で活躍できる人材を育成すること。そのためには、世界に通用する実践的な語学力を習得できるように、英語教育の内容の刷新が不可欠とされました。そこで、小学校3年から英語教育が導入され、3年生と4年生は「英語活動」として、年間35単位(週1回程度)、「英語に親しむ」という目的のもと、コミュニケーションを重視し、聞く力や話す力を養います。そして、5・6年生では、英語が教科として設定され、授業時間も、2倍の70単位に増え、より実践的な会話を中心とした内容に変わります。この小学校での英語教育を基礎に、中学校での教育内容も改定されました。改定ののポイントは、聞く・話す・読む・書くの4技能の総合的な育成を目標に、授業時数を105時間から140時間に増やし、指導する語数も900語程度から1200語程度まで増加させ、教材もより幅広いものにしています。そしてさらに、目指す「今後の方向性」の中での一つとして、「高校入試における4技能のバランス」がうたわれました。読み・書き中心の英語の授業・試験から、聞く力・話す力も加味した総合力を養う授業を行い、試験においても聞く力・話す力を見る事を目指して来ました。そしてこのような背景のもと、今般東京都教育委員会から、中学3年生への「中学校英語スピーキングテスト」の実施が示されました。これは、公立(都立)高校入試の際の、英語のヒアリング・スピーキングテストとなるもので、試験結果により、最大20点が入試点に加算されるものと聞いております。音声を介した試験には、採点に相当な時間が要する事から、事前に実施するものと理解いたします。学校現場では、このテストに向けて様々準備して来た事かとは思いますが、子供たちの将来にもかかわる大きな課題でもありますので、内容等について、お聞きしていきます。
(1回目質問)
(1)まず、このテストの目的について伺います。
(2)ヒアリング・スピーキング等の試験実施には、機材等が必要となりますが、具体的にどのように実施するのか?
(3)このテスト結果が、都立高校の入試に加算されるとのことですが、具体的内容について、お示しください。
(4)実施日、予定される試験会場等についてお示しください。
(2回目)
「中学校英語スピーキングテスト」について、2回目の質問をします。
(1)テストの概要は理解しましたが、まず、当日風邪やコロナの関係で受験できなかった生徒への救済措置についてお聞 きします。次に
(2)テスト実施までの流れを説明してください。
(3)このテストが実施されることから、この間(ここ数年?)準備をして来たと思いますが、どのように取り組んできた か具体的にお示し下さい。
(4)11月のテストまでどのような取り組みを行うのか?特に端末やマイク等機材を扱うことになりますが、これには、慣 れも必要かと思います。どのような指導を行うのか? 授業時間を増やす必要がないのか伺います。
(5)既に、生徒は承知しているかとは思いますが、改めて生徒・保護者への周知について伺います。
(6)東京外国語大学は今年度初めて、英語で話す力を問う試験を大規模に実施しました。東外大でヒアリング・スピーキ ングテストの本格導入が今年度からか?と逆に驚く程ですが、その試験に対して受験性がどう対応して、力をつけた か との調査で、力を付けるのに一番多かったのが、自習の25%だったとのことです。次が外国語指導助手(ALT)の 指導の20%、ともに、授業で伸ばしたの16%を上まわります。東外大入試と高校入試を同一に語ることは出来ないか とも思 いますが、家庭学習が重要な要素となることは間違いありません。そこで、家庭での取組みについてどのよう に指導し ていくのか?また、ALTをどのように関与させるのか?伺います。
(3回目)
テストに向け準備・対策をし、高校受験で成果を挙げて頂きたいと思いますが、それ以前に、生徒の英語に対する総合的な力、学力を上げて行くことが重要と考えます。 私は児童・生徒の学力向上をテーマに何度か一般質問を行って来ました。また、英語教育の早期化についても、取り上げてきました。児童・生徒の学力向上に関しては、市教育委員会も、サタデースクール等様々な取り組みをして来たと承知しておりますが、この問題は保護者の意識・経済的側面等々様々な要因があり、短期間で結果を得ることは困難であると思っております。ただ今般、このようなテストが導入されることになりましたので、私なりの提案をさせて頂き、市教育委員会の英語力向上・英語の学力向上に向けての方針を伺いたいと思います。英語力を図るメルクマールの一つとして、英検があります。文科省は中学3年で、英検3級(中学卒業程度)の力を持つ生徒50%を目標にしていますが、「令和3年度英語実施状況調査」では、47%でした。中3で47%というのは英検3級以上の実取得者27.2%と学校の成績等から教師の判断で「相当の力がある」と判定された生徒19.8%の合計値であります。調査における都道府県・政令指定都市別では、さいたま市と福井県がダントツの1・2位で、さいたま市は合計値で86.3%、福井県は85.8%。取得実績では福井県が84.3%でさいたま市の81.9%を超えます。全国5 位が50%台ですから、この2者は別格といえますが、両者に共通するのは、小学校からの一貫した英語教育です。小中の連携が重要ということです。市議会では、学力向上の先進市視察として、先の福祉文教委員会で福井県・福井市を訪ねました。数々の示唆に富む視察でしたが、その中でも英語教育の縦組みは感銘を受けました。教員は学年を横に担当するのではなく縦に持つ、即ち1年から3年まで一貫して、生徒の学力の向上を見ていくという方式です。これは教員のレベルが平均して高くないとできないことで、青梅で真似しろとは言いませんが、教員のレベルアップをどう図るか、担当教員が替った時の対応に一つの課題があると思います。さいたま市では、小中9年間を通したカリキュラム「グローバル・スタディ」を実施しています。これはホームページに載せており、「聞く・話す・読む・書くの4技能をバランスよく学び、将来、グローバル社会で主体的に行動し、たくましく豊かに生きる児童生徒を育成します」とあり、自信のほどが伺えるホームページですが、驚くのは、英語の時間数の多さです。小学校では、3年生から国基準を年間35時間超える授業時間を確保し、「他市に比べ、英語を学べる時間がたくさんあります!」とあり、中学校でも全国基準を年間17時間超える時間数となっています。力の入れ方が本市とは比較にならないと思いますが、他の授業を犠牲にしているのか、単純に授業時間をプラスできるのであれば、検討の必要があると思います。その他にも、小学校では、指導体制として、全ての授業において複数の教員による指導を実施していますとあり、担当教師に小学校1から4年生ではALTを、5・6年生ではグローバル・スタディ科非常勤講師が付きます。また、授業ではさいたま市独自の教材を使い、子供の成長に合わせ、教材を工夫しているとのことです。このような小学校の指導を基礎に、中学校では生徒一人一人の英語力の定着状況について、詳細なエビデンスを得るための英語4技能効果測定を実施し、その結果をもとに、生徒へは英語力の詳細な分析と学習アドバイスを行うとのことです。また、学んだ英語を発揮できる「イングリッシュ・キャンプ」や「英語ディベート大会」等のイベントを実施します。
(質問です)
(1)以上述べたことを全て導入せよとは、申しませんが、検討する余地のあるものがあれば、お示しください。
(2)さいたま市や福井の取組みと比較して、残念ながら本市は
①小中学校の連携が弱いのではないか?
②児童・生徒の習熟度に合わせた、よりきめ細かな指導が必要ではないか?
③英語教員のレベルアップが必要なのでないか?
④ALTの強化が必要なのではないか?
⑤家庭学習をより強化する必要があるのではないか?とも考えますが、以上を踏まえた上で、英語学力向上に向けての 市教育委員会の方針を伺います。
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